当園にはとても賢く、人間味にあふれたヒツジさんがいます。
名前はダイちゃん。
彼の後ろ足の関節は病気でもう動かないんです。
だから彼は車椅子がなければ立つこともできません。
ダイちゃんが立てなくなった日、私たちは夜遅くまでかかって彼のために車椅子を
作りました。
サイズはぴったり。
多少の改良は必要でしたが翌日からダイちゃんは車椅子でまた自由に歩くことが
できるようになりました。
そんなダイちゃんは私たちの想像を超えてどんどん元気になって、今ではかなり上手に
乗りこなして、多少の段差や急な坂もためらわずグイグイ進んでいけます。
慣れるまでにはあちこち引っかかったり、速く走りすぎて車椅子がついてこれなかったり、
柱にぶつかったり、そして車椅子から落っこちることもしばしばありました。
でも、落ちてしまうと歩けないことに気づくのでした。
よし、とばかりに車椅子を見つめ・・・
何かを決意したように元気な前足だけで車椅子のもとへ・・・
って助けを求めてきました。
そんな時は見てないで早く乗せてあげないとね、と思いながらも可愛いからついつい見ちゃうんです。
今回、半年に1回の閉園日にダイちゃんのいる展示場に砂を入れました。
掃除をしたり蹴散らすうちにだんだん地面が掘られていってしまうから、新しい砂を
補充して動物たちの蹄を保護したり、雨が流れていかないようにしました。
そしたらダイちゃん。
車輪が埋まって歩けないんですけど・・・・・
そんな顔でこっちを見てます。
それでも見つめていたら無理やり前に進む姿を私に見せつけてきました。
ほらね、言わんこっちゃない。
まるでそう訴えているように見えませんか?
この砂が自然に踏み固まるには3ヶ月はかかりそうなので、その日は応急処置として
コンクリート床のお部屋に入れて、入口で日向ぼっこできるように扉を開放してあげました。
2014年12月23日
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